Bicycle−つれづれなること

ママチャリ

My MAMACHARI Bicyle
うちにやってきたママチャリ (2003.6.19)
近所の方から譲り受けたもの。内装3段変速,27inch。今ではめずらしい日本製フレーム。何年か使われなかったものの保管状態はよく,塗装も綺麗。チェーンの錆落とし,内装変速機の調整,ワイヤーへの注油などをして,ほぼ新品同様の状態に。ダイナモライトを,以前MTBで使っていたリムドライブのものに交換。これからも,MTBやクロス車に使った部品のお下がりを利用して,費用をかけずにグレードアップして,スーパー・ママチャリ化するつもりだ。

「ママチャリ」という言葉が定着したのは,それほど昔のことではないだろう。またその語がさす対象も,広がっているようだ。

「ママチャリ」の「ママ」ついて今更説明する必要はないだろうが,「チャリ」の語源はあまり知られていないようだ。「チャリ」は「チャリンコ」の縮まった形で,その「チャリンコ」は,もともと関西地方の方言で,朝鮮語で自転車を意味する「チャヂョンゴ」に由来するものだ。

「ママチャリ」というぐらいだから,保育園の送り迎えなどで,母親が小さな子どもを乗せるための自転車がそれだった。後ろの荷台や前のハンドルに小さな子どもを乗せる補助椅子を取り付けたものがまさに「ママチャリ」の名にふさわしいものということになろう。その両方がついて初めて本当の「ママチャリ」だという人もいるようだ。これが「ママチャリ」のもっとも厳格なデフィニション(定義)ということになろう。

前後に補助椅子を附けた「ママチャリ」については,その危険性が指摘されてきた。本来の“定員”を超えて利用されることによるバランスや耐久上の問題はもとより,衝突時に前に乗せた子どもが真っ先に犠牲になりやすいことが,その代表的なところだろう。

また,後部に乗せた子どもについては,転落してもわかりにくいというのが,危険度でいえば最大の問題かも知れないが,実際にはそうしたケースは稀であろう。現実にもっとも多いのは,脚を車輪に巻き込むことだろう。そのためか,後輪に巻き込み防止のガードを附けたものもみられる。こうしたガードは,運転者がスカートなどを巻き込むのを防ぐ役割も果たしていよう。さらにはこうした補助椅子のなかには,籠と兼用になったものもあり,籠の左右の面を開くとガード附き補助椅子になるものもある。かくして日常生活における利便性追求のなかで,運ぶこと(買い物などの荷物と子どもの両方)と安全確保という課題は,いわば弁証法的に止揚されることになったといえよう。

もっとも,もっぱらこうした自転車だけを「ママチャリ」というわけではない。むしろ「ママチャリ」の中でも少数派になるぐらいだろう。日常生活においてもっとも身近で利用しやすい自転車というところから,「ママチャリ」の拡大解釈がはじまったといえよう。「ママチャリ」という言葉が広まる一方で,自転車の分類において「一般車」・「実用車」という語を耳にすることが少なくなっていることと,表裏一体の関係にあるようだ。すなわち,その指し示す範囲において「ママチャリ」=「一般車」となっているわけだ。

外装変速機を備えた,よりよい走りの性能を追求したロードレーサーやMTB,クロスバイクでもなく,さらには新聞や郵便物などの配達に用いられるような,荷物の運搬のために丈夫につくられたものでもない自転車の今日的総称が「ママチャリ」だ。しかもこうした自転車の価格が下がっていることも相まって,「ママチャリ」はさらにいっそう格下にみられることとなった。

そうした中,「ママチャリ」を戴いたので,うちからそれほど遠くない場所に行くのに,いつも使っている自転車Specialized Crossrider)の代わりに利用することにした。

短距離の移動や,こまめに止まったりする場合には,むしろこちらの方が便利だし,楽に感じることもある。これは前傾姿勢にならないことにもよろう。上半身が,歩いているときに近い,自然な姿勢になるからといえよう。

走行性能としては,まず急坂が苦手なことが気になってしまう。内装3段変速こそあるものの,やはり急坂のあるところは避けた。距離は短くても急坂を通らねばならない,神田川沿いから先の都心や新宿方面へ行くにはつらいところだが,逆に急坂のない池袋方面やその先の練馬区境方面に行くには結構楽だ。ブレーキの感触などは我慢するか,急ブレーキをかけなくてすむようにするしかないだろう。

夜,ライトをつけると,ダイナモの重さが気にかかる。それなりの時間・距離を走れば,結構こたえる。無灯火で走る人の気持ちも解るような気がする。そこで,以前MTBで使っていたリムドライブのダイナモライト(Sanyo製)に交換。使い古して滑らかさがかなり失われていたにもかかわらず,それまでが嘘のような軽さになった。さらに同じ電球で比較したところ,明るさも上回っていた。2〜3倍に及ぶ両ダイナモライトの値段の違いもこれなら納得がいく。

こうしたことは,実はさほど問題ではない。「ママチャリ」で走る中で直面する最大の問題は,他者との関係から生じるものだ。同じ警察官や駐輪整理員に出会っても,「ママチャリ」に乗っていた時にはいつもと違って,態度が高圧的であったり言葉遣いが乱暴であったりすることが少なくない。もっとも自動車の場合でも,高級外車に乗っている人に対する場合と,国産大衆車に乗っている人に対する場合とで,態度を変えることはめずらしくないが,これが差別待遇であることには違いない。

「ママチャリ」は自転車界の「第三身分」だ。

子供用座席を附したBianchi Backstreet
こういうのはママチャリとは呼ばない!?〜子供用座席を附したBianchi Backstreet (2004.9)

(2003.7.12)

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