Bicycle−つれづれなること

1.17震災メモリアルサイクリング2010


鉄人28号をバックに記念撮影する震災メモリアルサイクリング参加者 (2010.1.16)

神戸市民自転車同好会が主催する1.17震災メモリアルサイクリングに,今年も参加した。昨年は灘区・東灘区の慰霊碑をめぐるのが中心であったが,今年はコースが変わり,長田方面に向かった。

出発〜西へ

メモリアルサイクリングへの参加は,指定の時刻までに集合場所に自転車でやってくるだけでOKなのは昨年と同じだ。もっとも今年に関しては,神戸市による震災行事のお知らせでは伝えられていたが,web版で見た限り,マスコミによる事前の案内はなされていなかったようで,扱いはその分小さかったにもかかわらず,参加者は昨年の3倍以上と大勢になった。しかも80代の高齢者から子どもまで,参加者の年齢層も幅広い。土曜日で学校が休みだからだろうと,常連参加者の一人が言っていた。


東遊園地に集まった参加者 (左),西元町附近を走る参加者 (右)

東遊園地東南端近くでは,大勢の参加者の確認が行われ,祇園明敏会長のあいさつに続いて,恒例となった出発前の記念撮影のあと,「慰霊と復興のモニュメント」を背に出発した。子ども・女性から先に列を構成し,ビルの陰となってまだ寒さが残るなか,旧居留地〜栄町通を走り,西元町のホテルシェレナ跡地前で北上,大開通経由で更に西に進み,長田区をいったん抜け須磨区にさしかかったあたりで南下し,鷹取方面に向かった。老若男女織り交ぜて構成された一団が,信号停止などによるとぎれのため待機したのをのぞいて,8キロほどを一気に走るのは,それだけで大変だ。

大国公園

最初の訪問地&休憩場所となったのが大黒公園だ。長田区野田北部地区の中央にあるこの公園は,近隣住民の避難生活や救援活動において重要な役割を果たしたことは言うまでもないが,震災時の延焼を食い止める役割を果たしたとされ,それを象徴するクスノキが残されている。また,公園の一角にある,灘区の六甲八幡神社の倒壊した鳥居の石を使用して造られた記念像も忘れてはならないだろう。しばし足を休め,手を合わせた後,次の訪問地へ向かった。


大黒公園に到着した目のリアルサイクリング参加者(上)
六甲八幡神社の倒壊した鳥居の石で造られた記念像(右)

カトリックたかとり教会


カトリックたかとり教会・礼拝堂

次の訪問先はカトリックたかとり教会だ。現在の建物は再建されて3年近いが,震災後永らくボール紙の柱で造られたペーパード−ムがあった。またこの敷地は,震災時の避難場所となり,救援活動の拠点となったが,それを契機に,またそれを引継ぎ発展させる形で,さまざまな市民活動の場となっている。ここでは,震災時の情況や今日に至るここを拠点とした市民活動についてのお話を聞く機会を得た。


お話を聞く参加者。後方の建物には,震災資料展示室や
コミュニティーFM局・FMわぃわぃなどがある。 (上)
礼拝堂脇に立つ奇跡のキリスト像 (左)

日吉町ポケットパーク・あわせの地蔵


日吉町ポケットパーク・あわせの地蔵

その次の訪問先は,あわせの地蔵がある日吉町ポケットパークだ。大黒公園・カトリックたかとり教会とここはいずれも目と鼻の先にあり,同じ地域といっていい。翌17日の慰霊行事のためにテントを張って準備していた。ここでも,震災時の情況やあわせ地蔵の由来などのお話しを伺う機会を得た。


あわせの地蔵に参拝する参加者 (左),お話を聞く参加者 (右)

新長田・若松公園「鉄人28号」原寸大モニュメント

野田地区から震災で全壊した地域,全焼した地域を通って東に走りながら,新長田駅南再開発地区へ。駅前近くの商店街から1本入った裏通りと言うべきところだったが,震災以前の面影を残しているところはごくわずかだ。それが震災それ自体によるものだけではなく,再開発によるものであることについては,今更繰り返すまでもないだろう。

ここの景観を変えたのは,昨2009年秋に完成した「鉄人28号」原寸大モニュメントだ。相前後して造られ撤去された東京・お台場のガンダム像とは違って,恒久的に設置されるもので,同地域の活性化のために,この地域にゆかりがあるとされる漫画家,故・横山光輝とその作品などを活用しようとするNPO法人によってなされた企画の一環だ。

「鉄人28号」附近では,地元の人や観光客らとともに,メモリアルサイクリング参加者も記念写真を撮ったりしていた。メモリアルサイクリング参加者には,神戸市民自転車同好会の80代のメンバーが何人かおり,その一人に「鉄人28号」と同じように自転車を持ち上げてポーズをとってもらった。ここで参加者一同で記念写真をふたたび撮影したあと,新聞社の写真記者の求めに応じて,「鉄人28号」を廻る形で列をなして若松公園をあとにした。

記事特集 「鉄人28号」原寸大モニュメント 神戸新聞 KOBE鉄人PROJECT

水笠通公園・新長田駅北地区震災復興の碑


水笠通をゆく参加者 (左),水笠通公園・新長田駅北地区震災復興の碑をみる参加者 (右)

JR線を北側にわたり,次の訪問地へ向かった。鷹取方面への往路に通過した水笠通公園へ立ち寄った。広い公園の一角にある新長田駅北地区震災復興の碑を見ながら,震災と再開発で変貌した現状を見つつ,この地の犠牲者と,ほとんどの参加者が知らないであろう震災前の姿に思いをいたした。

御蔵北公園・モニュメント「鎮魂」


御蔵北公園・モニュメント「鎮魂」内部

続いて御蔵北公園へ。ここには鎮魂のモニュメントがある。下部にはこの地域の120人が亡くなった場所を示す地図が刻まれており,鉄板で造られた天井部分には彼らを偲ぶ星が光を通す穴と血の色を思わせる赤い銀河で現されている。


サポートカーとサポート要員 (左),御蔵北公園・モニュメント「鎮魂」からこの地の被災情況を学ぶ参加者 (右)

久遠寺

さらに東へ向かい,兵庫区門口町の久遠寺へ。この境内には,町内で亡くなった25人を偲ぶ阪神淡路大震災物故者慰霊之碑があり,傍らでは当時の情況を記している。


久遠寺 (上),阪神淡路大震災物故者慰霊之碑 (右)

このあと,兵庫駅前を通ったあと,往路とほぼ同じルートで東遊園地に無事ゴールした。今回は,子どもを含めた多様かつ大勢の参加者となったため,サポートカーがついた(昨年は若手の同好会員が最後尾についていた)。出発が遅れたこととも相まって,予定されたコースや訪問先の一部を割愛して,昨年より約10キロ短い,十数キロの走行となった。

ゴール後,何人かの参加者と話した。スポーツタイプではなく一般の自転車で参加した人も少なからずいたが,その中に地元選出の代議士の秘書もいた。彼らは,「一自転車愛好者として参加した」とのことだったが,市民の視点で見て回り,市井の声に耳を傾けようというのだろう。震災犠牲者の慰霊とともに,被災者の生活再建と被災地の復興はもちろんのこと,都市内交通手段としての自転車利用の効果的促進がなされることを期待したい。

訪問先のうち何カ所かは,昨2009年,8年ぶりに復活したこうべiウォーク2009のコースと重複するところもあったが,主催者及び参加者の立場や視点,徒歩と自転車という移動手段の特性がもたらす違いを,実感できたことにひとつの意義があったといえよう。

鉄人28号見てるよ メモリアルサイクル 産経関西
モニュメント回り追悼サイクリング 神戸 写真記事 産経新聞

今回の予定コース

1月16日(土)9時東遊園地を出発。大国公園→カトリックたかとり教会→あわせ地蔵→長田神社「馬場先鳥居」→御蔵北公園→六番町観音菩薩像→久遠寺→薬仙寺→大輪田橋→メリケンパーク経由で東遊園地へ

「阪神淡路大震災1.17のつどい」の開催について」2009年12月10日 (協働と参画のプラットホーム)

震災メモリアルサイクリング、「震災文学を語る」シンポジウム HARA Hideki's Blog

(2010.2.11)

Bicycle-つれづれなること:

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