竹内善朔論 その生涯と思想

2001.11

はじめに

 竹内善朔は青年時代,直接行動派と行動を共にし,幸徳秋水を支えた初期社会主義者の一人であった。当時の日本の運動界において急進的な立場に到っただけでなく,おりから東京の地にあった中国人革命家とも親交を結び,中日革命運動の交流を創り出した,日本側のキーパースンの一人でもあった。また「大逆事件」後は一切の運動から離れ,図書館人・竹内善作として後半生を歩んだが,その中にあって「大逆事件」や,中日革命運動に関する資料を保存し続けてきた。

 「大逆事件」の本格的研究の先駆として知られる,神崎清の『革命伝説』(中央公論社,1960年)は,竹内善朔が保存し,のち神崎に譲られた資料に,その多くを負っている。また,二〇世紀初めにおける中日革命運動の交流,さらにはアジア諸民族の反帝国主義・革命運動における連帯についても,竹内善朔を通して知り得ることが少なくない。このように,初期社会主義者の一人としてよりも,「大逆事件」関係の資料保存,及び中日革命運動の交流の担い手・語り部として評価されることが多いように思われる。他方,彼が後半生を捧げた,大正から昭和戦前の図書館界においても,図書館運営のさまざまな分野にわたって大きな業績を残し,当時の図書館人に強い印象を与えている。しかし,竹内の社会主義者としての前半生と図書館人としての後半生との関連性について十分に認識した人物研究は,なされていない。竹内善朔の生涯を概観し,その思想と活動の意味について考えていきたい。

一 活動の軌跡

 1 初期社会主義者・竹内善朔の誕生

 2 平民社へ

 3 思索と記録のなかで

 4 山手平民倶楽部

 5 大逆事件

二 中日革命運動の交流

 1 中国認識の萌芽

 2 亜洲和親会と社会主義講習会

 3 その他の交流

 4 竹内善朔の中国革命家観

 5 交流の終焉

三 ライブラリアンとしての後半生

 1 図書館人・竹内善作

  a 東京市立図書館時代

  b 私立大橋図書館時代

 2 竹内善作と「満洲」

 3 思想としての図書分類法

 4 闘いとしての資料保存

おわりに

初期社会主義研究会編『初期社会主義研究』第14号(2001年12月,不二出版)所収。
内容は本誌にてお読み下さい。

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